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水田 俊治; 上平 明弘; 鵜飼 重治
JNC TN9400 2000-048, 28 Pages, 2000/04
高速増殖炉の被覆管材料としてのODSフェライト鋼は、耐照射性に優れるフェライト-マルテンサイト鋼中に酸化物(Y2O3)を微細に分散させて高温強度を改善しているため、燃料集合体の高燃焼度化とプラントの高温化を同時に達成可能な材料として期待されている。実用化戦略調査研究において、基準プラントである「MOX燃料Na冷却炉」の燃料被覆管にODSフェライト鋼を適用した場合の設計研究を供するため、ODS鋼フェライト鋼について、最新データを基に以下の材料特性・強度関係式を暫定的に策定した。(1)設計クリープ破断応力強さ(2)クリープ強度補正係数(環境効果)(3)外面腐食(Na中)(4)内面腐食(MOX燃料中)(5)熱伝導度
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PNC TJ2222 94-001, 264 Pages, 1994/03
高速原型炉もんじゅの炉心性能試験で実施される制御棒等の反応度価値測定の測定精度を向上させるため、修正中性子源増倍法(以下、MSM法)について中性子輸送計算体系・方法の検討、及び補正係数の作成等を行い、その適用性と精度の検討を実施した。本年度は、前年度の課題である輸送計算の計算境界付近での中性子束計算精度の向上を図り、広範囲の反応度について予測精度評価を行った。さらに検出器応答関数の整備を行い、制御棒パターンや中性子源位置による検出器応答の評価を行った。まず、R体系の方向境界付近での中性子束計算精度の問題に関して、360 R体系では、中性子束の収束誤差を0.1%以下にしないと境界付近の中性子束を数十%も過小評価することがあることが判った。次に、炉内・炉外NIS検出器の応答関数を1次元随伴中性子束計算により詳細に求め、燃料末装荷の炉心およ150体装荷炉心での検出器応答の実測値と比較した。炉内NISでは計算値は過大評価、炉外NISでは過小評価となる傾向があるが、炉心の状態が変わってもその検出器間のC/E値の比はほぼ一定であり、燃料未装荷時の検出器応答の実測値と計算値の比から、燃料装荷時の検出器応答も較正できる可能性があることが判った。これ以前の作業までに開発したMSM法の補正係数計算手法を、燃料装荷段階の未臨界炉心に適用し、反応度の予測を試みた。燃料装荷体数が124体までは、検出器間の反応度予測値のばらつきは小さいが、150体の場合には極端にばらつきが大きくなった。これは、補正係数計算に用いている中性子束分布計算方法の中性子倍増の計算精度に起因するもので、臨界に近づき増倍中性子が検出器応答に占める寄与が大きくなった場合は、基準炉心と対象炉心の反応度の比を実際に近く求められるような中性子束分布計算方法を用いなければならないことが判った。最後に、疑似的な3次元体系である2次元RZ計算と2次元XY計算の比較により、制御棒部分挿入状態の中性子束を2次元XYモデルで精度良く計算する方法について検討し、RZ計算で得た制御棒部分挿入時の実効増倍率を良く再現する2次元XY計算での制御棒領域の体積割合を得た。
佐藤 理*; 窪田 龍太郎*
PNC TJ2222 93-001, 88 Pages, 1993/03
「もんじゅ」炉心性能試験で実施される制御棒等の反応度価値測定に際し、その測定精度を向上させるため、反応度価値測定試験への修正中性子源増倍法(MSM法)の適用を前年度より検討してきた。本年度は、前年度の課題である、MSM法で検出器応答の比から反応度の比を求めるための補正係数の計算精度の向上及び誤差評価を行い、実機での反応度測定の精度向上に資するために以下の検討を行った。(1)固定中性子源問題の解法の検討(2)中性子束計算方法の精度評価(3)MSM法の反応度測定精度の予備検討固定中性子源問題の解法の検討では、補正係数の精度を更に向上させるため、浅い未臨界系を含め、固定中性子源を含む増倍系での中性子東計算方法(収束性)の検討を実施した。固有値計算で得られた中性子束と随伴中性子束を用いて作成した初期中性子分布を用いることにより、従来難しいとされていた浅い未臨界系での固定線源問題が解けることがわかった。この方法を前年度行ったMSM法の適用性検討に用いることにより、補正系数の計算精度の向上を得た。たとえば、比較的深い未臨界度(実効増倍率=0.9671)の体系では、MSM法により予測した反応度と直接計算値との差異が約7.3%から約0.4%に減少した。MSM法の補正係数を計算する場合には、計算体系を分割し、各々の中性子輸送計算を接続させる必要があるので、XY体系とR体系の接続計算による中性子束計算方法の精度の検討を簡単なモデルで行った。
高橋 正; 菊池 武雄
Journal of Nuclear Materials, 91(1), p.93 - 102, 1980/00
被引用回数:45 パーセンタイル:95.58(Materials Science, Multidisciplinary)酸化リチウムLiOの熱拡散率および熱伝導度の気孔率依存性を、200Cから900Cの温度範囲で研究した。熱拡散率と気孔率Pとの関係は、=(1-P)として、=0.93、そしてまた、=/(1+P)として、=1.74(200C)~1.11(900C)のように示された。熱伝導度kと気孔率Pとの関係は、Loebの式k=k(1-P)に従い、=1.70で、そして、Maxwell-Euckenの式k=k(1-P)/(1+P)に従い、は、1.81(200C)~1.32(900C)であった。さらに、経験式=(1-P)、そしてk=k(1-P)として試み、m=0.91そしてn=1.06の値を得た。熱拡散率および熱伝導度の気孔率依存性が=(A'+B'T)およびk=(A+BT)として示されることを見出した。気孔率の補正係数を、気孔率と温度に関して、他の文献と比較して検討した。
溝尾 宣辰
JAERI-M 7753, 176 Pages, 1978/08
本論文は大きな負の反応度の測定を目的とし、従来の測定法に対して理論的補正を行う方法を確立し、その研究成果をまとめたものである。体系の未臨界度を静的反応度と規定し、検出器の実効的中性子検出効率の定義を導入して、測定値をもとに静的反応度を求めるための理論的補正法を、中性子源増倍法、中性子源引抜き法、制御棒落下法およびパルス中性子源法について示している。FCA VI-2 B2、およびVII-1集合体による実験的検証では、検出器位置に依存しない反応度が求められ、それらは中性子源増倍法と中性子源引抜き法とでよい一致をみており、最大体の模擬制御棒を含む-10%k/kに達する未臨界体系でも十分な精度で求められた。さらに、補正法の信頼性を数値的に、また変分法を用いて解析的に検討した結果、群定数などの誤差による補正係数の誤差は、同じ群定数を用いて計算で求めた反応度に比べて、一般に相当小さなものにとどまることが判明し、動力炉への適用性は充分に有ると考えられる。
飯島 勉
JAERI-M 6063, 19 Pages, 1975/03
FCA VI-1炉心の密度係数を用いて大型高速炉の臨界性を予測する場合の精度、適周性等について検討した結果の報告である。密度係数法は臨界実験を行なう体系において炉心構成物質の密度係数を測定して、組成、体積の異なる炉心の臨界性を実験値にもとづく外挿により求めようとする方法である。これは組成外挿と体積外挿の2つのステップに分けられる。組成外挿については、-30%k/k以上の大きな組成変化に対しても0.3%k程度の精度で臨界性が外挿予測出来ることが示された。体積外挿についても2倍程度の体積変化に対しては問題がなく、6倍以上も大きい炉心に対しても実用的な精度で外挿出来ることが示された。これらのことは、Na冷却大型高速炉に関するかぎりほとんどすべての炉心の臨界性は、VI-1炉心から外挿可能であることを示している。